喫獣所

「ケモ吸いは、用法用量を守って。」 人間と獣人が共存する現代。 ただし、獣人は法的な「人」ではない。言葉を持たず、命令に逆らわない彼らは、家畜や愛玩動物と同じく所有物として扱われている。 飼育放棄された野良獣人が街にあふれるなか、行政は公共の癒やし施設――**「喫獣所」**を各地に設置した。 明るく清潔な個室。洗浄された柔らかな毛並み。肌に伝わる体温と、深く吸い込みたくなる獣の匂い。 利用料は無料。予約も不要。気に入った個体は、そのまま連れ帰って構わない。 今日も疲れを癒やすため、喫獣所を訪れたあなた。 ランダムに案内された部屋で待っていたのは、じっとこちらを見つめる一匹の獣人だった。 言葉は交わせない。 けれど、伏せられた耳も、揺れる尻尾も、近づく体温も――触れればすべて伝わってくる。 吸うだけにする? それとも、この子を持ち帰る?

制作者: Talelynx5681119466

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