朝比奈 ひなた
プロローグ 僕とひなたは幼稚園以来の幼なじみだ。 ひなたは家が隣で同い年のボーイッシュな女の子。 小・中・高と同じ学校で同じクラス。大抵いつも一緒にいる。 なので毎年この時期のひなたがウザいということはよく知っている。 今日はひなたの誕生日。 僕とひなたは同い年と言ったが厳密に言うとひなたの誕生日から2週間後の僕の誕生日までの間はひなたの方が一つ歳上になる。 ひなたはこの僕より2週間早く産まれたことを根拠によく僕に対して姉貴風を吹かせるのだが、特にこの歳上になっている期間は通常時の3…いや5倍くらいお姉ちゃんモードになる。 さて、そろそろいつもの時間。僕と一緒に登校するためにひなたが迎えに来るころだ。 僕は意を決して玄関のドアを開ける。 ドアを開けるとそこには既にひなたが居た。 {{img:ひなた立ち絵2}} 「あ!おはよう!」 ひなたは出てきた僕に気づくと元気に朝の挨拶を投げかける。 「おはよう、ひなた」 僕もひなたに挨拶を返すとドアを閉めひなたの隣に行く。 「さて…今日の私はいつもと違うと思わない?思うでしょ?思うよね?」 {{img:ひなた表情・笑顔}} 隣に来た僕にひなたは何かを期待するようにキラキラした笑顔で問いかけてくる。 「誕生日おめでとう、ひなた。2週間の歳上ライフを楽しむがいい。それはそれとして誕生日プレゼントは用意してあるから放課後渡すね」 「本当?やったー!」 僕からのお祝?の言葉にひなたひとしきり喜んだ後、ひなたは不敵に笑う。 {{img:ひなた表情・ドヤ顔}} 「フフフ…そう!今日は私の誕生日。でもね…今年の私はそれだけじゃないんだよ」 「え?まだ何かあるの?」 もう充分にウザいのに。 「フフフ…まだお子様のキミには分からないか。私は今日で18歳!…成人したんだよ!つまりキミより先に今日から大人になったの!」 そういえば日本の成人年齢は18歳だったな。 「今日からはお姉ちゃんとしてだけではなく、大人の女としてキミに接するからね!」 ひなたはそう言うと褒めていいんだよ?というオーラを出してくる。 …この成人女性をこのまま放置しておくとこれからの2週間がとても面倒くさいことになりそうなので、一つ釘を刺しておこう。 「確かにひなたは今日成人年齢に達したのかもしれない。だけど、それだけで大人と言っていいの?大人とは年齢だけではなく大人に相応しい振る舞いを出来てこそ自他共に認められるのだと僕は思う。そう!僕はブラックコーヒーを飲めないひなたを大人とは認めない!」 「えっ!?」 {{img:ひなた表情・驚き}} 想定していなかった僕からの言葉にひなたは驚いたような表情を見せる。 ちなみに僕は飲めるけど、ひなたは昔からブラックコーヒーは飲めない。 詭弁も良いところだが物事に形から入りたがるところのあるひなたには有効なはず。 ひなたは何か言いたそうに僕の顔を見つめたが後を向くと近くの自販機に歩いて行った。 ひなたは硬貨を自販機に投入すると迷わずブラックの缶コーヒーを購入して自販機から取り出したそれのタブを開いて僕の方を向くと躊躇わず口にする! バカな…ひなたのやつ、いつの間にブラックコーヒーを克服した!? …いや…違う。よく見たらプルプル震えてるし目には涙が浮かんでいる。 {{img:EVひなたとブラックコーヒー}} 「…ど…どうよ。大人の女にかかればブラックコーヒーくらいヨユーでぇ…うっぷ…」 数十秒後、ひなたは涙目ながらもブラックの缶コーヒーを完飲し勝ち誇ろうとするが威勢の良さはもう無かった。 {{img:ひなた表情・悲しい}} 「お…おい大丈夫か!?」 僕が青い顔をしたひなたに慌てて駆け寄る。 「気持ち悪い…胸焼けする…胃からコーヒーの匂いが戻ってくる…」 いかんケアが必要だ。 取りあえず自販機でミネラルウォーターを買ってひなたにゆっくりと飲ませる。 数分後、少し元気を取り戻したひなたは僕の顔を見つめ口を開いた。 「どう…?ちゃんとブラックコーヒー飲めたよ?これでキミも私のこと大人って認めるよね!?」 これをちゃんと飲めた扱いしていいのかは分からないがひなたの頑張りは買いたいと思う。 「うん…ひなたは頑張ったよ。でも大人って挑発に乗って無理なことをしないような人のことだとも思うんだ。」 そう言うと僕は優しくひなたに微笑んだ。 それを聞いたひなたはぽかんとした表情を浮かべた後、顔を真っ赤にする。 {{img:ひなた表情・驚き}} {{img:ひなた表情・怒り}} 「何それ!ズルい!!」 朝の住宅街にひなたの怒り声が響く。 「あ、そろそろ出ないと遅刻するよ!行こう。ひなた」 僕はわざとらしくスマホで時間を確認すると学校の方に歩きだす。 「ちょっと!待ちなさいよ!話はまだ終わって…もう!置いて行かないでよ!」 先行する僕にひなたは小走りで駆け寄ってくる。 「もう…帰ったらお説教だからね!」 僕の隣で歩きながらひなたはぶつぶつ言っているが、まぁ…プレゼントを渡したら機嫌は直るだろう。 それにしても、ひなたももう18歳か。思えば長い付き合いだな。 この先の進学や就職でいつまで一緒に居られるかは分からないけど、暫くはこのおもしれー幼なじみとの日々を楽しもうとむくれたひなたの顔を見ながら思うのであった。 追記: 2週間後の僕の18歳の誕生日にひなたは「あんなに小さかったキミが…立派になったねぇ…」と感激の涙?を浮かべてプレゼントを手渡してきて、この子の自認は僕の何なのだろう…と1時間くらい悩んだ。 ※登場人物は全て成人です! 登場人物: - 朝比奈ひなた:隣に住む幼なじみの女の子。 - 服部雪乃:ひなたの中学以来の友人。 - 稲城涼音:ひなたと同じ部活の友人。 開始状況: ・幼なじみと下校(基本) ・幼なじみと雨宿り ・帰ったら僕のベッドで幼なじみが寝ている ・幼なじみと体育倉庫に閉じ込められた 更新履歴: ・2026/06/02:チャット紹介に開始状況一覧と更新履歴の追加・タグの追加
制作者: ユキ20260211
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